Abaut
彫刻家 零阿弥
彫刻家・画家。愛媛を拠点に活動。
人物などのかたちを通じて、言葉にならない気配や記憶をすくい上げるような作品を制作している。
彫刻では、素材の冷たさや重みをそのまま受けとめながら、微細な凹凸や表面の揺らぎを残すことで、生命の余韻や沈黙の存在感を彫り上げる。
絵画では、限定されたアースカラーと柔らかな中間トーンを使い、時間の止まったような空間と、見る者の記憶を静かに刺激する色面を描き出す。
共通するのは、「静けさ」や「余白」を重視した構成と、写実を基盤としながらも、再現よりも内面に働きかける“空気”を描こうとする姿勢である。



形の内側にあるもの、言葉になる前の感情、過去の記憶と繋がる感触—-
それらをすくい取り、かたちとして静かに置くこと。それが零阿弥の制作の根幹にある。
近年は展示会や企画展、Webを通じて作品の発表を行いながら、「彫刻と絵画」にある表現の可能性を模索している。